手紙を書けない

この街の白い部分を全部お前にあげるから

俺と一緒に寝てくれないか

あのラーメン屋を再開させるから

どうか抱かれてくれないか

おい なんだかおかしいな

ちょっと待てよ 俺はそういう意味で言ったんじゃ ああもう！

君はいつもそうだよな タバコの灰が勝手に落ちるのを待つ奴らみたいだった

とてもいい匂いがした ただそれだけだった

部屋の中に君の抜け毛見つけたよ 心配しないで 大事にとってある

君が好きだって言ってた映画も見た 本も読んだ どれも最悪さね

けど あれは良かった 美味しいって言ってた 料理 美味かった

君は今頃金持ちのじいさんとよろしくやってるんだろうが 気が変わったらいつでも来てくれ 鍵は開けてある

愛をこめて
愛をこめて
愛をこめて

ΤρισἜρως 三倍愛してる 多分

今ではどこも人は数字の代替物 死んだことより いつ死んだか 何が遺るのか の方が大事さ

外車が街をゆく。どうしてハンドルが逆なのかな。あっちじゃ逆に走るから？ どっちに行けば正しいのかなんて分からないよ。畜生。このカーブ。曲がりきれるかな。クラッチに手をかけて、サイドブレーキを思いっきり引っ張って。さあ、行こうか。

(車の金切り声)

いつかまた会える日を楽しみにしてる

その時のためにめちゃくちゃ高いワイン買ったんだ 不味かった 飲もうよ 一緒に

あと何が書きたかったんだっけ

あと何が書きたかったんだっけ

もうこれだけ これだけ

あと何が書きたかったんだっけ

あと何が書きたかったんだっけ

もうこれだけ これだけ

あと何が書きたかったんだっけ

あと何が書きたかったんだっけ

もうこれだけ これだけ……